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鳥葬

鳥葬とは、別名風葬ともいい、遺体をハゲワシに食わせて葬る葬式の方法である。イランとインドの一部に残るゾロアスター教徒や、チベットの仏教徒が、現在も行なっているといわれる。鳥が遺体を食べてしまうのだろうとある程度の想像はできるが、具体的なプロセスのイメージが沸きにくい。

この鳥葬について、「チベット旅行記」を著した河口慧海が、約100年前に、当時のチベットの鳥葬について、詳細に説明をしている。彼は、当時鎖国していたチベットに、1900年から1902年に、命を賭して潜入した偉大な僧侶であった。

彼の、「チベット旅行記」での説明に拠れば、次のとおり。

遺体を木の台のようなものに載せて、布に包んで、山頂に担いで運ぶ。平面のある巌に遺体を置くと、布を取り除く。

坊主が読経をするなか、一人の男が大きな刀で腹を断ち割り、内臓を取り出す。その後、首、両手、両足とばらばらに切り離す。

さらに、肉と骨を切りわける。骨から切り分けた肉は、そのころ、この巌の周囲に集まってきた、ハゲワシに与える。

骨は、そのままでは、ハゲワシが食べ難いので、大きな石で叩き、細かく砕く。巌の上には、10ばかりの穴が開いているので、骨や脳みそを一緒に打ち込んで、麦焦がしの粉をいれて、細かくなった骨や肉片とともに団子にする。

この団子もハゲワシにやると、髪の毛以外はすっかりきれいに食べる。

これが鳥葬の一部始終である。

ところで、骨を細かく砕く作業はなかなか時間がかかるという。参加した人たちは、途中で、お茶や麦焦がしを飲食して休みをとる。、彼らは、手も洗わず、手についた肉片や骨片や脳みそなどをいっこうに気にしないで、そのまま、飲食する。つまり、遺体の一部を麦焦がしの粉とともに食べてしまうのである。これが「実は旨い。仏も悦んでくれる」と言う。慧海は、これには抵抗があり、野蛮な風習であり理解しがたいと述べている。

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