皇女アナスタシア
最近の報道によれば、ロシアの最後のロマノフ王朝の皇帝であり、ソビエト革命派に一家ともども殺害されたニコライ二世の遺体が、ようやくDNA鑑定で確認されたと言う。
ニコライ二世は、皇太子時代に日本を訪問し、かの有名な大津事件にも遭遇した不運の皇帝である。1917年10月のロシア革命の発生により、ボリシェビキ政権により一家は拉致され行方不明となった。後に、全員銃殺されたといわれ、遺体らしきものが見つかったともいわれた。しかし、数々の情報が流れ、真相がよく分からなかった。
事件後、一年ほどして、その生き残りの皇女アナスタシアを名乗る女性が、1920年2月にベルリンに突然現れた。
彼女によれば、一家銃殺の際に、同情したソビエト軍の一兵士によって匿われ、この兵士と夫婦関係になり、一子まで設けたという。だが、彼が戦死してしまい、彼女は、服に縫い付けた宝石などを切り売りしながら、ベルリンにたどり着いたというのである。
彼女が、あまり多くを語らず、また、彼女を知る証人もほとんどいなかったので真相ははっきりせず、論議をよんだ。ある者は、本物だといい、ある者は、ポーランドで失踪した精神病歴のある、フランツィスカだと主張した。
彼女は、1928年には、アメリカに渡り、「悲劇の主人公」として社交界でも有名人となった。そして、沈黙のまま1984年に亡くなり、真相は闇のなかに閉ざされた。
今回のDNA鑑定では、ニコライ二世一家の、個体まで識別されるのだろうか。そうであれば、一世紀近くを経て、ようやくロマノフ王朝の最後の最期が明らかになるわけだ。
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